【宮城文学散歩】島崎藤村 =仙台東口初恋通り(仙台市)=


この初恋通りは、仙台市宮城野区の仙台駅東口駅前広場から、島崎藤村(以下、藤村)広場まで続く歩行者専用道路(BiVi仙台駅東口と交番の間を北にむかう通り)

藤村は東北学院の教師として仙台に赴任し、現在の塩釜神社(名掛丁塩釜神社)の地にあった三浦屋に下宿していた。この三浦屋で書かれたのが藤村の第一詩集『若菜集』で、その詩集を代表する詩が「初恋」である。

名掛丁塩釜神社に繋がるこの道は、この「初恋」という詩に因んで命名されている。
※出典:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E6%81%8B%E9%80%9A%E3%82%8A






李白に五言古詩で30句の「長干行」という漢詩があります。この冒頭4句に“妾が髪初めて額を覆ふとき、花を折って門前に劇る、郎は竹馬に騎って来り、牀を繞って青梅を弄す“とある。


(詩を読むと、そぞろに藤村の初恋」という詩を想起させる。藤村がこの「長干行」から発想を得たか否かは明らかではないが、とにかく盛唐と明治末年のロマンチシズムの一致はおもしろいと思う)と。以上「中国名詩鑑賞辞典」の185ページに著者山田勝美先生が書いています。

この「初恋」は平成31年3月発行、日本詩吟学院の近現代詩として教本に取り入れられています(78ページ)補説などで詳しい解説がありますので参照下さい。次の歌碑は初恋通りに建っているものです。

なお、「初恋」は1971年発売の抒情歌謡として舟木一夫が歌っており、60代以上の男性のカラオケファンにとっては根強い人気曲です。

因みに、この曲は私もお気に入りの一曲です初恋通りのその先の藤村広場には「日本近代詩発祥の地」と題字がある藤村の記念碑があります。

平成16年8月の除幕式には当会の卓地岳淳顧問が列席し、その式典の模様が月刊誌「吟道」に詳しく掲載されています(平成16年12月号「吟の広場」)
                        (富沢教場 山根春岳記)

 

2020年07月26日